30代男性(自営業)
わたしが痙性斜頸を発症したのは、父を亡くした直後でした。父は突然心臓の病で、亡くなってしまったのですが、葬式の最中、私は不安でたまりませんでした。
我が家は、父と母、そして私の三人で小さなすし屋を営業していました。私は、修行から帰ったばかりで、実質的には、父がすべてを切り盛りしていました。ですから仕入れのことも、経営のこともすべて父任せで、私は修行中と同じように、雇われ職人のような気持ちでいたのです。でも、これからはすべて私がやらなければなりません。
嵐のような葬儀が終わって、しばらくしてからのことです。私の首が横を向いて元に戻らなくなってしまったのです。はじめは、寝違えたのだろうと軽く考えていました。しかし一向によくなりません。我が家は客商売ですから、こんな状態で営業はできません。そこで、ある病院の整形外科を受診しました。そこで下された診断は、痙性斜頸です。そこでボツリヌス療法を薦められたのですが、ボツリヌスといえば食中毒をイメージします。すし屋には最悪です。最初は断ったのですが、先生にいろいろと説明をしていただき、安心して治療を受けました。
おかげで今ではすっかりよくなって、包丁を握っています。




